2009年12月04日

教学関連組織改革

 去る11月23日に全学教授会が開催され、本学が過去半年にわたって多くの教職員の協力を得てまとめ上げてきた教学関連組織改革案が全会一致で了承されました。

 ブログの読者の皆様には、これだけでは十分にご理解いただけないかもしれませんが、本学のあり方にとって歴史的な改革と言えるほど大きな意味を持ちます。このことにつきまして、以下にご説明をさせていただきたいと思います。

 大学をめぐる教育経営環境は年を追って厳しくなっています。その最大の要因は少子化です。現在、全国で18歳人口は120万人となっていますが、10年前には150万人、そして20年前には200万人いました。これから少子化のもとで若い人の数が減っていき、10年後には110万人、18年後にはこのほど生まれた赤ちゃんがその年齢になるので100万人に縮小します。つまり30年ほどで若い人の人口が半減する中で、750を超える大学が存続をかけてひしめき合う状況です。言ってみれば、大学は日本の中で典型的な構造不況産業と言えます。

 本学も当然そうした人口縮小の波の中で、他の大学と同じように存続をかけて努力をしています。本学では私が学長として着任して以来、V字型の回復を目指して3つの戦略を追求してきました。

 第一に、より魅力的な教育を提供することで、より多くの受験者を集めること。そのひとつの取り組みがサービス創造学部の創設でした。

 第二に、面倒みの良い大学になること。その象徴的な取り組みが、地元を中心とした350社の企業とのアライアンスネットワークです。

 そして第三に、事務局体制の強化です。事務職員は自らをプロデューサーと自覚して、業務内容の掌握と分析と改革にめざましい成果をあげています。

 そうした努力にもかかわらず、少子化傾向の波はますます環境状況を悪くしています。いわゆる大学全入時代を迎えようとしていることが様々な影響を生んでいます。

 例えば、選り好みさえしなければ誰でもどこかの大学に入れるので、問題意識がない、自己規律がない、連絡しても反応もない、授業にも出ない。言ってみれば、生きる力の弱い学生がじわじわと増えています。本学は日本の大学では中間に位置するので、まだその影響は少ないのですが、560ばかりある全国の私立大学のうち49%が定員を満たしていません。本学は定員を十分に超える学生を吸収し得ているので、まだそのような問題の影響力は少ないですが、定員を満たせないような大学については、おそらく目を覆うような惨状になっていることが容易に想像されます。

 本学でもそうした学生が少しずつ増えていますが、その一方には大変問題意識があり、優秀でやる気のある学生もいるため、生きる力の弱い学生に焦点を合わせて救おうとすると、できる学生には不満が高まります。しかし、できる学生に焦点を合わせると、生きる力の弱い学生は落ちこぼれてしまいます。従って、教育現場が混乱し、先生方は大変な苦労を背負い込むことになります。そうしたことがこれからの問題として、大学教育に少しずつ浸透してきている現状を何とかしなければなりません。

 そうした課題に正面から向き合い、環境条件が劣化していく中でもより良い教育を実現し、より強い大学になっていくためにはどうすれば良いかという問題を真剣に考えるため、過去半年間にわたり戦略会議のもとに拡大専門委員会をつくって、10回以上も真剣な会議を積み重ねた結果、改革の草案をまとめることができました。

 その草案は、これまでの教学関連の機能部門を大幅に再編成し、学内教育研究機能を支える組織として4つの部門を整備することにしました。

 目玉は、「教育革新センター」です。これは、以上に説明したような問題に大学として総力を挙げて取り組み、問題を分析し、具体的な改革の戦略を打ち出すための組織です。他にも「学生部」、「図書館」、「経済研究所」がありますが、後者の3つはこれまでにも存在した組織です。

 次に、学外社会との連係機能を担う組織として、5つの部門を整備することにしました。

 1番目は「入学センター」で、これまでの学生の募集から入学に至るまでの機能を大幅に強化し、全国の高等学校に密度の高い連携を取って、受験生をしっかり確保するための体制をつくり、その長はマーケットを熟知した人材がフルタイムで専念することにしました。従って、研究教育を本務とする教員がその職を負う場合には、教育負担を大幅に削減するか、あるいは職員が長になるということも考えられます。

 2番目は「キャリア支援センター」で、主として千葉商科大学の学生を採用してくださる可能性のある企業群をネットワークし、密度の高い交流を持つことです。これも同様な構造になります。

 3番目は「メディア・情報センター」で、これもフルタイムの専門家を配置します。

 4番目は「大学連携交流センター」で、地域社会、同窓会、学生の保護者とのネットワークを進めます。

 そして5番目は「国際センター」で、将来を見越した国際連携を進める傍ら、400人近い留学生の生活、その他の面倒をみる組織です。

 これまで本学では、これらの機能部門の長は教員から選ばれることが慣習になっていましたが、それを改めて教員・職員の区別なく、適材適所で臨むことを大原則にしました。

 そして最後に、大変重要なことですが、これらの役職教員はこれまで各学部から選出されていましたが、その方式を改めて学長、学長補佐、学部長、学科長、各部門の機能部長を総合した全学部長会をつくり、そこで人選を行い、大学の重要な課題のほとんどはそこで徹底的に討論して、その場で決定していくという体制です。この体制が確立すると、本学の意思決定は集中化し、効率化し、徹底的な議論のもとで関係者が情報を共有しながら進む体制となります。

 この改革案は教職員の方々の熱心な討論の積み重ねでつくられたものですが、全学教授会が全会一致でこれを承認してくださったので、まさに新しい時代の幕が切って落とされたという実感を私は受けました。本学は未来に向かって強力に突き進むことになります。

※文中の各組織の名称は2009年12月現在の仮称です。

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