担当教員:箕原辰夫
2003年度秋学期 水曜日2時限
1. 主題と目標/授業の手法など
授業の目的は、この授業では、主に形を観察し、造形することに目的を置き、
その表現手段としてのベクタグラフィックスを学んでいきます。
ベクタグラフィックスによる造形に関してのさまざまなデザインのコンセプトやコンピュータ上での技術的な取り扱いを
毎回の授業の前半で紹介し、後半はツールを使った実習を行います。
造形には、基本的な造形手法以外に、タイポグラフィー、レイアウト・構成なども含まれます。
実習としては、最初の方でデッサンを行ない、ものの形を観察することから始めます。
そして、IllustratorとStrata3Dplusを使い、コンピュータ上のベクタグラフィックスのデザインの仕方を学び、
造形に関しての知識を深めていきます。2次元グラフィックスから始まり、
3次元グラフィックスによるアニメーションまで作り込みしたいと思います。
ラスタ(ビットマップ)グラフィックスは、3次元モデルのテクスチャやデッサンなど、
補助的に扱います。ですから、Photoshopなどは、メインで扱うことはありません。
進み具合で余裕があれば、アニメーションに対してAfterEffectsによる映像合成、
LiveMotionによる対話的なアニメーションの作成方法などを授業の中で採り入れたいと思います。
また、Macintosh/Mac OS X上でデザイン過程を行なうということには、
どのような愉しみ、意義があるのかについて、授業を通して考えていこうと思います。
デザインは結果としての作品だけでなく、個人的にはその制作過程を通じた愉しみがあると考えています。
それをこれからの仕事ということではなく、趣味としてあるいは生き方として学べるのではないかと思います。
コンピュータグラフィックス一般:
・マルチメディア標準テキストブック(入門編)、画像情報教育振興協会
・入門コンピュータグラフィックス(入門編CG)、画像情報教育振興協会
・デジタルイメージクリエーション(デザイン編CG)、画像情報教育振興協会
・技術編 CG標準テキストブック、画像情報教育振興協会
・今間俊博、CG入門セミナー、日経BP社
・渡部隆志・由良泰人・有賀妙子、デジタル@デザイン、秀和システム
デザイン一般:
・ドナルド・A・ノーマン、誰のためのデザイン?、新曜社
・永原康史、デザイン・ウィズ・コンピュータ、エムディエヌコーポレーション
・南雲治嘉 、視覚表現―コンピュータ時代のベーシックデザイン、グラフィック社
造形について:
・パウル・クレー、教育スケッチブック、バウハウス叢書2、中央公論美術出版
・カンディンスキー、点と線から面へ、バウハウス叢書9、中央公論美術出版
・藤村克裕、造形の基礎を学ぶ、美と創作シリーズ・京都造形芸術大学編、角川書店
・日本グラフィックデザイナー協会教育委員会編、ヴィジュアルデザイン1、平面・色彩・立体構成、六曜社
・朝倉直巳編・著、芸術・デザインの立体構成、六耀社
・朝倉直巳、紙、基礎造形・芸術・デザイン、美術出版社
デッサンについて:
・川口吾妻、ディジタルデッサン、画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会)
・トム・ポーター、スウ・グッドマン、グラフィック・ノウハウブック、集文社
・A.ルミース、初めてのイラスト教室、エルテ出版
テキスチャ・文様・ダイアグラムについて:
・Owen Demers、Texturing & Painting、New Readers Publishing
・ヨーロッパの文様事典、視覚デザイン研究所
・日本・中国の文様事典、視覚デザイン研究所
・世界のサインとマーク、世界文化社
・林由男、マークの形と発想、グラフィック社
・ピータ・ウィルバー、マイケル・バーク、図説インフォーメーション・グラフィックス、MdN
タイポグラフィーについて:
・ヤン・チヒョルト、書物と活字、朗文堂
・ドリアン・フルティガー、活字の宇宙、朗文堂
・マンフレッド・クライン他、欧文書体入門、朗文堂
・ヘルマン・ツァップ、デザイン哲学、朗文堂
・白石和也・工藤剛・河地知木、文字の歴史とデザイン、九州大学出版会
・白石和也・工藤剛・河地知木、タイプフェイスとタイポグラフィ、九州大学出版会
・藤岡 康隆・ 和田 義浩、DTPフォント入門、エムディエヌコーポレーション
・成澤正信、Macで文字デザイン、グラフィック社
色彩について:
・川添泰宏、色彩の基礎、美術出版社
・色彩(改訂版:カラーコーディネータ入門)、日本色研事業株式会社
・カラーコーディネーションの基礎(3級公式テキスト)、東京商工会議所
・藤幡正樹、カラー・アズ・ア・コンセプト、美術出版社
レイアウトについて:
・ロビン・ウィリアムス、ノンデザイナーズ・デザインブック、毎日コミュニケーションズ
・ロビン・ウィリアムス、ノンデザイナーズ・Webブック2001、毎日コミュニケーションズ
実習で使うソフトウェアについて:
・Adobe Illustrator日本語版(MacFan Special/Mycomムック)、毎日コミュニケーションズ
・中村高之、ベジェ曲線ドリル(Illustratorで学ぶ)、ラピュータ
・イラストレータ教室、エムディエヌコーポレーション
・Robin Williams、How to Boss Your Fonts Around、PeachPit Press
・ベン・ウィルモア、フォトショップ講座6.0上巻・下巻、エムディエヌコーポレーション
・木村菱治、Strata 3Dplus パワフルガイドブック、ローカス
・無一文クラブ、Strata3D一目瞭然Remix、BNN新社
第1回 Mac OS Xの環境へ(Living with Mac OS X)
実習室にあるMac OS Xの環境がを用いて、その取り扱いや、大学との環境との整合性、
あるいはMac OS Xそのものについて話題として取り上げ、実習します。
第2回 形を見る(Watch as it is)
デッサン実習を通して、まず形を観察することを学びます。
第3回 空間と陰影(Space and Shade)
デッサン実習を通して、空間と輪郭線を観察すること、および陰影を観察することを学びます。
第4回 平面と要素(Primitives)
2次元の造形の基本について学び、Illustratorで描く方法を実習します。
意図をどのように平面上に造形に反映するのか考えます。
第5回 自由曲線(Free Curves)
曲線の特性、コンピュータ上での記述、造形の手法について学び、
Illustratorでベジェ曲線を描く方法を実習します。
第6回 輪郭と比率(Outline and Proportion)
造形上の比率の問題について扱います。輪郭をIllustratorの曲線で1つ線として収束させていきます。
第7回 色彩(Color Arrangement)
色彩についての基本的な表色法、配色の仕方を学びます。
また、ラスター画像についての基本的な知識も学び、実習をします。
第8回 文様からピクトグラム(Pattern)
古今東西の文様や、自然の中のパターンについて学び、Illustratorでパターンとして描画していく方法を学びます。
また、ピクトグラムまでの意味の包含を伴った造形について考えます。
第9回 文字の造形(Character)
意味が基本となる文字についても、造形的な要素が多くあり、文字の造形にはどのような手法が必要なのか、
Illustratorを使いながら実習します。
第10回 3次元の要素(3D Primitives)
3次元のモデリングについて基本的なことを学び、
プリミティブを使ってStrata3Dplusで造形していきます。
第11回 ベジェ曲面による変容(Metamorphosis)
自然の3次元の造形にはどのようなものがあるかを学び、
ベジェ曲面でどのようにそれを表わしていくのか考えます。
第12回 テキスチャと環境・光源(Texture and Environment)
モデルに対してのテキスチャの指定の仕方を学びます。また、レンダリングのための
環境設定として、光源・大気などを取り上げます。
第13回 動画と編集(Animation)
3次元アニメーションとしての動きを考え、それをStrata3Dplusを使って映像としてレンダリングしていくことを学びます。
AfterEffectsでシーンを編集することを学びます。
第14回 Webアニメーション(Web Animation)
LiveMotionを使い、Strata3Dplusで作成した3次元アニメーションを
取りこんだ形でのWeb上のの対話的なアニメーションについて考えます。
ほぼ毎回課題を出します。課題の提出状況で、成績をつけたいと思います。 デザイン作品を取り扱うときには、ある一定期限までに一定以上の品質のものを出す必要があります。 課題作品は、芸術的な部分は解釈の領域になりますので、期限までに出したか、指定した技法が使われているか、 などで評価したいと思います。
毎回の課題の提出が、今まで行なってきた経験からみて、かなり大変であると思われます。 予期している以上に課題の作成に多くの時間を取られると思います。 1週間がつぶれることを覚悟して下さい。秋学期に他に履修が大変な授業と並行履修するのは避けた方が無難です。 また、λ21のMacintoshを用いますが、自宅での課題作成のためには、MacintoshのPowerBookやiBookなどの 手持ちのノート型コンピュータを用意した方が良いかも知れません。 Windowsのノート型コンピュータの場合は、3次元グラフィックスに対応していない場合が多いので、 授業では一切サポートしませんし、授業資料を別画面で見る以外の目的で授業に持ち込まないで下さい。 なお、途中で履修放棄するのであれば、最初から履修しないで下さい。
20名程度とします。課題は一杯出ますので、この方面に興味がある学生、 Macintoshでデザイン活動を志す学生(趣味として志すのでも構いません)に限ります。 人数が多くなった場合、Macintoshを使ってきた学生を優先に抽選します。