相対参照と絶対参照

セル参照

エクセルでは,下図のように列をA~Z,AA~AZ,BA~BZ,... のようにアルファベットの組合せで指定し, 行を2,2,3,... のように整数で指定することで,各セルの内容を参照することができる。

ABCDE...
1A1B1C1D1E1...
2A2B2C2D2E2...
3A3B3C3D3E3...
.....................

相対参照

相対参照とは,式が入力されたセルからの相対的な位置によって他のセルを参照する方法である。エクセルでは"$"を使って明示的に指定しない限り,セル参照は相対参照として扱われる。

例えば,セルD2に入力された"=A1+B2"という式は,D2から見て,左に3つ上に1つ進んだセル(A1)の内容と,左に2つ進んだセル(B2)の内容を加算するという意味になる。したがって,D2の結果は6となる。

ABCDE...
1123...
2456=A1+B2...
3789...
.....................

相対参照や絶対参照の違いは,式をコピーした時に明らかになる。例えば,セルD2をセルE3にコピーしてみると,E3の内容は,"=A1+B2"ではなく,"=B2+C3"になる。つまり,E3から見て,左に3つ上に1つ進んだセル(B2)の内容と,左に2つ進んだセル(C3)の内容を加算するという意味になる。したがって,E3の結果は14となる。

ABCDE...
1123...
2456=A1+B2...
3789=B2+C3...
.....................

絶対参照

絶対参照とは,式が入力されたセルの位置に関わらず,絶対的な位置によってセルを参照する方法である。絶対参照は,列方向と行方向に別々に指定することができる。列方向の位置を絶対参照する場合はアルファベットの前に"$"を挿入し,行方向に絶対参照する場合は,数字の前に"$"を挿入する。

例えば,セルD2に入力された"=$A$1+B2"という式は,A列の1行目のセル(A1)の内容と,D2から見て左に2つ進んだセル(B2)の内容を加算するという意味になる。したがって,D2の結果は相対参照と同じく6となる。

ABCDE...
1123...
2456=$A$1+B2...
3789...
.....................

一方,セルD2をセルE3にコピーしてみると,E3の内容は,"=$A$1+C3"になる。つまり,A列1行目のセル(A1)の内容と,E3から見て左に2つ進んだセル(C3)の内容を加算するという意味になる。したがって,E3の結果は10となる。

ABCDE...
1123...
2456=$A$1+B2...
3789=$A$1+C3...
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複合参照

セル参照では,列方向と行方向の一方だけを絶対参照にすることもできる。このような参照を特に複合参照と呼ぶことがある。

例えば,セルD2に入力された"=$A1+B2"という式は,A列のD2から見てみて上へ1個進んだセル(A1)の内容と,D2から見て左に2つ進んだセル(B2)の内容を加算するという意味になる。

ABCDE...
1123...
2456=$A1+B2...
3789...
.....................

このセルD2をセル E3 にコピーしてみると,E3の内容は,"=$A2+C3"になる。

ABCDE...
1123...
2456=$A1+B2...
3789=$A2+C3...
.....................