コマンドプロンプトは,Windows標準のCUI (Character User Interface) 環境です。コンソール画面とも呼ばれます。キーボードでコマンド(命令)を入力しながらコンピュータを操作します。
マウスを利用するGUI (Graphical User Interface) 環境に比べると,初めは使いにくいと感じるかもしれません。しかし,コンピュータの管理や処理を自動化したいときなどは CUIの方が便利なので(クリックするなどの操作はどうしても人の手が必要になってしまうので,処理の自動化には不向きなのです),コンピュータのエキスパートたちは CUI を好んで使います。
この講義ではコマンドプロンプト上で動くプログラムを作成していきます。あまり派手なプログラムは作れませんが,プログラミングを本当に理解するためにはその方が良いのです。プログラミングIIではGUIを使った少し派手で楽しいプログラムを作成します。
コマンドプロンプトの起動は,スタートメニューから
【スタート】→【プログラム】→【アクセサリ】→【コマンドプロンプト】のように辿ればよいです。
もしくはスタートメニューの検索ボックスで
cmdと入力しましょう。
コンソール画面には,文字だけしか表示できません。また出力された文字は左から右へ,上から下へ流れていくだけです。元に戻ることはできません。タイプライタをイメージするとよいかもしれません。
画面上で
C:\Users\miyata>と表示されている部分をプロンプト (prompt) と呼びます。プロンプとは「入力を促す」という意味で,プロンプトの表示は,ユーザからのコマンド入力を待っている状態であることを意味します。
また,C:\Users\miyata>
は Cドライブの Users というフォルダの下にある miyata というフォルダが作業場所であることを示しています。作業場所ドライブをカレントドライブ,作業場所フォルダをカレントディレクトリと呼びます。
作業場所が望みの場所で無かった場合には,次のような手順で作業場所を変更します。
> ドライブ名:
> cd フォルダ名
cd は Change Directory の頭文字をとったもので,ディレクトリを変更するコマンドです。
次の例は,作業場所を"C:\Users\miyata"から,"H:\Documents"に変更する手順です。黄色い文字はキーボードから入力するものを表しています。
C:\Users\miyata> H:↵ H:\> cd Documents↵ H:\Documents>
特殊なディレクトリ名として,1つ上のディレクトリを意味する‘..’
と,現在のディレクトリを意味する‘.’
を覚えておきましょう。
ホームページなどを作成したことがあれば知っているかもしれませんが,パスを指定するときによく使いますよね。
次の例では,作業場所を"H:\Documents"から一つ上のフォルダ"H:\"に変更する手順です。
H:\Documents> cd ..↵
H:\>
H:\Documents> dir↵
ドライブ C のボリューム ラベルは XXXX です
ボリューム シリアル番号は XXXX-XXXX です
H:\Documents のディレクトリ
20XX/04/19 18:18 <DIR> .
20XX/04/19 18:18 <DIR> ..
20XX/02/05 14:29 <DIR> 情報処理
20XX/04/08 11:11 <DIR> プログラミングI
20XX/03/25 13:49 1,270 signature.txt
1 個のファイル 1,270 バイト
4 個のディレクトリ 12,345,678,901 バイトの空き領域
H:\Documents>
コンパイルしたときに「ファイルが見つかりません」などのエラーがでたら
dir
コマンドを実行して,本当にそのディレクトリにそのファイルがあるかどうか確かめましょう。
H:\Documents> type signature.txt↵
***************************
千葉商科大学 商経学部
○○ ○○
e-mail: xxxx@cuc.ac.jp
***************************
H:\Documents>
コマンドプロンプト内で,上下矢印キー[↑],[↓]で過去にキーボードから入力したものが現れます。内容を修正したい場合には,左右矢印キー[←],[→]を利用して修正したい位置にカーソルを移動させてから修正することができます。
コマンドプロンプト内で[Tab]キーを押せば,ファイル名やフォルダ名が自動的に補完されます。[Shift]+[Tab]で逆順に候補が出ます。
ここで紹介したコマンドプロンプトの使い方はこの講義を受講するために必要最小限のものだけにとどめました。しかし,コンピュータを使いこなすためにはコマンドプロンプトの習得は避けて通れません。もっと詳しいことが知りたければ「コマンドプロンプト 使い方」で Web 検索してみましょう。