母集団の平均は,平均を意味する英単語(mean)の頭文字に対応するギリシャ文字の\(\mu\)(ミュー)で表し, 標本の平均は\(\bar{x}\)で表す.
分散は,分布の広がりを示す統計量で,次の3種類がある.
データ\(x_i\)が母集団の全数データならば,次式で母分散\(\sigma^2\)が得られる.

データ\(x_i\)が標本であれば,通常は母平均\(\mu\)は未知である. (そもそも全数調査をすることが困難であるがために標本調査を行うのであり, 標本から母集団を推定するのが統計学である.) 把握できるのは標本平均\(\bar{x}\)である. これを用いて,次式の標本分散\(S^2\)が得られる.

標本分散\(S^2\)は,標本データの分散を論じる場合に用いられるが, 標本から母分散を推測するときに標本分散を用いると,誤差が生じることがわかっている. そこで,標本から母分散を推測するときには,次式の標本不偏分散\(s^2\)が用いられる.

Excelでは,母分散および標本分散を求めるときはVARP関数, 標本不偏分散を求めるときはVAR関数を用いればよい.
| 統計量 | 記号 | Excel関数 |
|---|---|---|
| 母分散 | \(\sigma^2\) | VARP |
| 標本分散 | \(S^2\) | VARP |
| 標本不偏分散 | \(s^2\) | VAR |
分散は,平均値からの差を2乗しているため,単位が元のデータと異なってしまい,扱いにくい. たとえば,身長データの単位はcmであるが,分散の単位はcm2となる. そこで,分散の平方根(ルート)をとったものを標準偏差とよび,分散同様よく用いられている.

上の式の分散は,母分散,標本分散,標本不偏分散のいずれかで, それぞれの分散に対して,母標準偏差,標本標準偏差,標本不偏標準偏差が得られる.
Excelでは,母標準偏差および標本標準偏差を求めるときはSTDEVP関数, 標本不偏標準偏差を求めるときはSTDEV関数を用いればよい.
| 標準偏差 | 記号 | Excel関数 |
|---|---|---|
| 母分散の平方根 | \(\sigma\) | STDEVP |
| 標本分散の平方根 | \(S\) | STDEVP |
| 標本不偏分散の平方根 | \(s\) | STDEV |