| 『壁絵とカードのツールボックス ユニット1&2』(開隆堂) |
| テッド・グレゴリー編著 |
| 本体価格 ユニット1 6,000円,ユニット2 8,000円 |
| 教員になり立てのころ,英語の習熟度が低い生徒が多い学校に勤務していた。授業の多くは,中学校の復習かそれに近いレベルであった。生徒の抽象的思考能力が高いレベルであれば,英語の規則の説明を主に板書で理解させることができたかもしれないが,中学時代にそのような授業で取り残されて来た生徒たちだった。当時は,単語や文法を絵を使って状況を与えながら説明できたら,どんなにか良いだろうと思っていた。体と頭を使うゲームで,英語を体得させることができたら,生徒に英語について関心を持たせることができるだろうと思っていた。ユニット1は,そんな思いを満たしてくれる教材である。 |
|
壁紙は,新聞紙を両面広げた大きさの紙に,だいたい12この絵が描いてある。それが20枚入っている。黒板に張って使うと,具体的な事物で英単語や構文が教えられるように工夫されている。カードはA4タイプで59枚ある。壁紙と同じ絵が縮小してあるカードと壁紙の絵を少し変化させたカードがあり,それを増し刷りをして,切ってトランプ大のカードにして生徒に配る。そのカードを使って,ペアワーク,グループワーク,ゲーム等が実施できるように授業案がついている。教える文法項目は,名詞の単数形複数形から,進行形,比較級,過去形,未来形そして疑問詞の使い方等までカバーしている。
|
|
ユニット2は,文法項目が中学校3年生から高校1年生程度を扱うので。壁紙は9枚と少ないが,居間の様子,台所の様子,大きなカレンダー,大きくて素敵なメニュー,世界地図,道を聞くに便利な地図等とどれもほしいものばかりだ。カードはユニット1と同じように使う。
ユニット1と2を通して言えることだが,この教材が提供している壁絵とカードの使い方は,口頭での文法練習にむいている。これは,非常に大事なことだと思う。実際の教室では文法項目の定着を重視して,文法を使って英作文するときに,ノートに書き取らせることが多い。そうすると,英文を作るのに,時間がかかってしまい,実際のコミュニケーションには向かない。このような教材を使って,口頭での英作文がもっと行われる必要がある。そのような授業をするために,状況を与えるために,先生は小道具を多く作らなければならない。このセットがあると先生は絵を描く必要もないし,例文を考える必要もない,そんな便利な教材である。ただ,なかなかこのようなセットを使って日本人の教員は,授業をしたことがないので,指導用のビデオがついているとこの種の教材がもっと普及しやすいだろうと思う。
|